わきがの原因やケア方法について解説しているサイトを見ると、どこのサイトにもアポクリン汗腺という言葉が出てきます。
それもそのはずで、アポクリン汗腺は体内において、わきが、体臭と密接な関係がある器官とであるからです。
この記事では、このアポクリン汗腺の働きやわきがの発症との関係、わきがの改善が期待できるアポクリン汗腺の働きを弱める方法について解説いたします。
アポクリン汗腺って何?
私たちの体内には『エクリン汗腺』と『アポクリン汗腺』の二つの汗腺が存在します。
このうちわきがと関係があるのがアポクリン汗腺です。
アポクリン汗腺は、主に脇下に存在して、脇下以外では「乳輪」、「外耳道」、「デリケートゾーン」などにも存在しています。
つづいて、そんなアポクリン汗腺の働きについてチェックしてみましょう。
アポクリン汗腺の働き
ずばり、アポクリン汗腺は臭いを発生させる器官です。
その働きを知るにあたっては、私たちの進化の過程をシッカリと勉強しなければなりません。
私たち人間を含めて地球上の生物は、自分と違うニオイを発する生物を好み、逆に同じニオイを発する生物を敬遠します。
これは、子孫の繁栄と遺伝子の多様化のために備わった機能によるものです。
体臭は元来、仲間の識別や繁殖活動におけるフェロモン的役割を果たしていたわけです。
とりわけ、脇下、生殖器の周辺は特に臭いがきついイメージがありますよね?
実はこれもフェロモンが関係しているのです。
しかし、人間は進化により視覚機能は向上して、逆に嗅覚機能が低下しました。
その結果、ニオイよりも外見で魅力を感じ取るようになりました。
それと同時にアポクリン汗腺が発するニオイは不要になってしまいました。
とくに、日本では、そのニオイが「わきが」として敬遠されるようになってしまいました。
アポクリン汗腺が存在する場所
アポクリン汗腺は、「脇下」、「乳輪」、「外耳道」、「デリケートゾーン」などに存在する汗腺の一つです。
これらの部位はアポクリン汗腺が存在する以上、臭いの発生源となる可能性は十分あります。
ですので、脇のケアだけを行っていれば安心というわけではありません。
実際に授乳を行っている人で、乳児の口、母乳パッドがわきがのニオイの発生源となチチガもあります。
また、デリケートゾーンのニオイすそが(すそわきが)で悩んでいる人も決して少なくありません。
臭いの原因はアポクリン汗腺から分泌される汗の成分
アポクリン汗腺から分泌される汗は、白色系の色をしていて、ベタベタしているの特徴です。
水分のみならず、脂質・タンパク質・アンモニア・鉄分他、様々な成分で構成されています。
これらの成分を常在菌が分解した時にニオイを感じるようになってしまいます。
アポクリン汗腺が活発に働く時期
アポクリン汗腺は男性の場合は9歳から13歳、女性の場合は7歳から12歳に活発になります。
いわゆる第二次性徴が起こる時期(思春期)のころですね。
この時期は、ホルモンバランスが乱れやすい時期でもありますが、実はこのことがアポクリン汗腺の活性化へと繋がるのです。
アポクリン汗腺の活性化が発汗量の増加や雑菌の数の増加へと繋がり、強烈な臭いを発するようになります。
なお、アポクリン汗腺の働きは、成人するあたりまでがピークとなるようです。
わきがの発症を左右する要素とは?
アポクリン汗腺から分泌された直後の汗には臭いがありません。
臭いを発するようになるのは、汗の中の「タンパク質」、「脂肪」を皮膚の常在菌が分解した時です。
わきがの発症を左右するのは、アポクリン汗腺の量や大きさです。
以下の条件に二つ以上当てはまる場合はわきがの発症リスクが高くなります。
・体内に汗腺が多数存在
・サイズの大きい汗腺が存在
・汗腺の働きが活発的
・毛量が多い
アポクリン汗腺から出た汗は、毛根を通って毛穴に現れるため、毛量が多い人(毛穴の数が多い人)ほどアポクリン汗腺からの発汗量が多くなることからニオイは悪化し、毛の根元部分の汚れ(汗・皮脂など)も落としづらくなります。
これにより雑菌・細菌の繁殖リスクは高まり、わきがの重症化を招いてしまうのです。
アポクリン汗腺の数をコントロールすることは可能?
あいにくアポクリン汗腺の数を自分でコントロールすることまではできませんが、手術によって取り除くことは可能です。
アポクリン汗腺の除去手術
アポクリン汗腺の除去手術を受ければ、わきがの土台となっている部分を取り除くことから間違いなく臭いは軽減され、わきがの治療という点では最有力の方法と考えられます。
ただし、この手術を受けるにあたっては以下の点に注意してください。
・手術料金が非常に高い
・手術後も臭う可能性がある
・手術後に再治療が必要になることもある
クリニックにおけるわきが手術は、基本的に保険が効くとはいえ、料金が高いことは否めません。
さらに臭いの原因が脇とは別に存在していた場合は、手術後でも臭いを感じることがあります。
また、クリニック選びを慎重に行わないと再治療を行う羽目になる可能性もあります。
わきが対策として、手術は治療は最も有効な方法ではが、その分費用や体への負担も大きくなります。
まずは生活スタイルの見直し、わきがケアクリームなどを使用することから考えていきましょう。
もし『生活スタイルの見直』と『わきがケアクリーム』で効果が認められなかった場合に、手術を考えるようにしてください。
わきが対策用デオドラント製品による発汗量の抑制
わきが対策用デオドラント製品は、アポクリン汗腺を取り除くためのものではありません。
しかし、少なくともわきが発症時の不快なニオイを小さくできることは間違いありません。
最近のわきが対策用デオドラント製品をチェックすると、制汗(汗の抑制)、抑臭(臭いの軽減)、臭いの根本原因に働きかける(殺菌、抗菌)などの商品があり、医療機関で治療しなくてもわきがケアが行えるようになっています。
また、わきが対策用デオドラント製品は、返金保証サービスを利用できる商品も多数存在します。
なので、『自分の肌に合わなかったり、わきがの防臭効果が認められなかったら返品すればよい!』くらいの軽い気持ちで、購入することをオススメします。
わきがケアの効果は、アポクリン汗腺から分泌される汗への対応次第で決まる
アポクリン汗腺の元来の働きは臭いを作り出すことであり、かつてはフェロモン的存在でした。
しかし人類の進化に伴い、強烈な臭い(わきが)を発生させだけの不要なものとなってしまいました。
アポクリン汗腺から分泌された直後の汗にはニオイがありません。
しかし、その汗を皮膚に存在する常在菌が分解することにより、強烈な臭いを発するようになります。
また強烈な臭いに関しては、アポクリン汗腺から分泌される汗とは関係なしに、食事の栄養バランスの乱れ、ストレスの蓄積、不規則な生活も原因となります。
わきがを少しでも改善したい場合は、わきがケアクリームなどを使用しつつ、食事の栄養バランスなどにも注意していきましょう。